2020年12月13日
恒湿庫のお気に入り達:大掃除!
何処って、納戸に鎮座の2つの大きな恒湿庫.. お気に入りの写真機達 が大勢.. 棲息してる!
彼らを見ると、一つ一つ手に取って、座り込むこと小半日.. 動かなくなっちゃうのは何時もの事
古い、銀塩フィルム時代の写真機達.. 小型で重い金属製の逸品達.. 1台一台に思い出あり!
丁寧に..舐めまわすように 手触りを楽しみ 拭き拭きして、清掃&点検、おもむろに空撮りなどと
この際白状すると、爺..積年の趣味.. 数十年に亘って集まった、大切な ガラクタ達?..!(^^)!
中でも 一番のお気に入りは 写真機先進国 “ドイツ” 生れの こ奴達.. 小さくぎっしり詰まった
精密で美しいメカに魅せれて..次々に集まった.. 実に頼もしく愛らしい、逸品機の数々(^^ゞ
“銘機”!とまでは云えないまでも.. 珍しい写真機達が勢揃いしているも.. 見慣れない一群?
尤も..どれも普通のカメラショップで見かける事はまずないので、無理はないと思います(^^;
まずはお姿から..良く見ると..あのライカ以前の難解な操作の一端が見えるかもしれません?
:ビューファインダーは:ピントリングは:シャッターボタンは何処:フイルム装填はどうやって?..
全てがマニュアル操作でめっぽう使い難い機種ばかりですが.. 付き合ってみれば気難しいが
ゆえに.. かえって愛おしい仲間達です、代表的な機種を数点.. 覗いてみて下さい(^_-)-☆
撮る為の手順:フイルム充填:1コマ分の巻き上げ:シャッター速度設定:シャッターのチャージ
や絞り値の設定、もちろん.. ピント合わせ,etc 一つ一つの儀式がしっかり楽しめますよ(^^♪
蛇腹機が7台も.. 小型化するには、鏡胴を折り畳める、蛇腹式は有利だったみたいですね..
彼らはホールディング/スプリングカメラと呼ばれ一部はベストセラーになった機種もあった!
デジタル世代から見れば、マニアックな機種ばかりですが..写真機の歩みを垣間見られる?
かも..軽く見流してご容赦願います^_^; なお.. 全ての画像はクリックで、大きくなりますよ
どのモデルも..70年~95年前の逸品、代表的な機のプロフィールを覗いてみましょう(^^)
もちろん、老体ゆえの疲労もあるが、今でもしっかり動きます..フイルムを通せば 撮影OK!
実は本家ホームページ「写真機の森」を立ち上げたのは!こ奴達を整理する為にとか(^^♪
純粋に自己満足の世界ですが 興味あり! の向きは続きを読むで うんちくなども!(^^)!
1。 “ピコレット” コンテッサ・ネッテル (Contessa Nettel Piccolette)
≪95歳≫蛇腹を畳むと、ベストのポケットに入っちゃう程小さい写真機です..
大ヒットしたコダック社の.. 元祖! “ベストポケットコダック(VPK)”後に2匹目のドジョウを
追ってコンテッサ・ネッテル”社から 発売されたベスト版(6.5x4cm)蛇腹式の写真機です
フイルムは「VPK」と同時発売のベスト判127を使い、1本で8枚撮れます!
1枚撮る毎にフイルム巻き上げが必要!が、これを忘れると二重露光(>_<)
被写体までの距離を目測で推定!レンズ鏡胴のリングを回して距離冠の値に合わせます
レンズの f 値が大きく暗いので大まかに合わせればOK!(^^)!
蛇腹を畳むとペッタンコの小さな箱型に収まって、それこそ「ベストのポケットに入るサイズ」
になってしまいます!
当時の試写記録は、本家 写真機の森 でご覧下さい^^♪
2。 “イコンタ 521” ツァイス・イコン (Zeiss Ikon ikonta521)≪81歳≫
左がイコンタ521、右はベッサー66です(スプリングカメラの代表格)
イコンタの中でこの機種はセミ判(6x4.5cm)フレームの蛇腹機です
フイルムは裏紙付き「ブローニー120」を使い、1本で16枚撮れる
通し枠のファインダーがありますが、かなりアバウト、ピント合わせ用
距離計は無く、目測してレンズ鏡胴のリング冠の距離値に合わせます
3。 ”ベッサー66” フォクトレンダー (Voigtlander vessa 66)≪73歳≫
森で初めての蛇腹の6x6判、先にご紹介した二眼レフと同じ
6x6cmの正方形フレームで12枚撮れます。(典型的なスプリングカメラ)
使用するフィルムは裏側に紙を張り付けた「ブローニー」120
フイルムの巻き上げは1枚写すごとに、カメラ背面の”赤窓”で
裏紙に印刷したコマ番号を目視で確認しながら巻き上げます・・
巻き足りなかったり巻き過ぎると隣のフレームと重なってしまうので厄介
4。 “イロカ35” イロカカメラ (Iloca cameras iloca 35 QUICK-B)
≪年齢不詳≫中版より小型で最も一般的な“35mm判” (ライカ判)です。
”イロカ”はめったに出会えない珍しい機種です、写りそこそこですが(^^)
機体の作りの美しい事、あのライカの滑らかな手触りをも越える仕上がり
妙な所に魅せられて確保しました! アルマイト仕上げの様ですが・・
心地よいぬめり感?のある滑らかな仕上がりは特筆ものだと思います(^^♪
5。 “ヴェルジン エディネックス” ヴェルジン (wilgin ednx)≪91歳≫
珍しい沈胴式レンズ=レンズ部が写真機の胴の中に引っ込むのです!
ちょうどコンデジのレンズみたいに胴内へ引っ込んでコンパクトになります
実はこの個体.. 沈胴の珍しさだけでなく :鏡胴の引出し :フイルム充填
:カウンターの初期設定 :裏ぶたと底蓋のロック :1枚目のフイルムの
巻き上げ :シャッターチャージ.. と数々の興味深い機構がいっぱいです!
それだけで..1記事分になる程.. 多彩な逸品なのですが、ここでは省略(^^;
6。 “レチナ Ia” コダック (Kodok Retina Ia)初期型の改定版..です≪70歳≫
ドイツ・コダックの蛇腹式の35mm版 小型機、最も簡素なグレードです。
他機種と違いシャッターチャージ(コッキング)がフイルム巻き上げに連動する
近代の写真機では当たり前の機能ですが、この頃では画期的だったのです。
シャッターはバネで動くので撮影前に必ず“ゼンマイ”を巻いておかかないと!
:ちなみにこれ以前の大半の機種では、撮影前に単独で”シャッターをチャージ”
(コッキング)する必要があるのですが ついつい忘れちゃう・・
忘れると.. 肝心な時に“シャッターが切れない!なんとも悔しい事態に陥る..
ドジな小生.. ”シャッターのチャージ”を忘れて..何べん泣いた事か・・(@_@。
7。 “ビトーII 前期” フォクトレンダー (Voigtlander VITO-II 前期)≪70歳≫
フォクトレンダー社の蛇腹式.. 可愛い35mm機です
精密感溢れる姿態が魅力的“カラースコパー”と云うレンズのクリアーな写りは
定評がある、蛇腹部を畳みこむと、フラットケースの様にとても小さく収まります
8。 “ ビトーII 後期” フォクトレンダー (Voigtlander VITO-II 後期)≪71歳≫
これも珍しい35mm判の蛇腹機です、後期型にはアクセサリーシューが付きました
が、これは余計かな〜 フラッシュバルブでも装着するつもりかな?
そうか、当時は必要だったかも..
前期型と同様“カラースコパー”と云うレンズのクリアーな写りは定評がある!(^^)!
なぜかシャッターは最高速が1/500から1/300sへスペックダウンはコストダウン?
はピコレットが127、他は120ロールフィルムを使います、フレームサイズ(画面1コマ)は横x縦..以下の通り
:ピコレット「6.5cmx4cm(ベスト判)」 :イコンタ「6cmx4.5cm(セミ判)」 :ベッサー「6cmx6cm(6x6判)」です。
イロカに始まる後半の機種は“35mm判”と呼ばれフイルムタイプは135、フレームサイズは「36mm x 24mm」
写りや、大きさ、扱い易さ、価格等、バランスがとれている為、全盛を極めた..銀塩時代の定番のカテゴリーです。
35mm判の元祖はあのライカが採用したサイズで別名ライカ判と呼ばれその後の各社の汎用機のほとんどは、
この「ライカ判」を採用していました(^^)v
※70mm幅だった当時の映画用フィルムを、ライカ用に、半幅の35mmに裁断して使ったのが始まりです(^^ゞ
ちなみに、現在のデジタル一眼レフのフルサイズ機はこのサイズの画像センサーを使っています!
銘機中の銘機..と言われる“ライカ” のメーカーはご存じの通り、“エルンスト・ライツ”というドイツのメーカーで昔
も今も光学機器.. の分野で、押しも押されぬ世界のトップメーカーです。
この時代の写真機は、とにかく全ての操作がマニュアルなので..とは云え現在のデジタルカメラでも同じ操作が
必要なのですが.. デジタルカメラは人がやるべきほとんどの操作を「自動的にやってくれる」ので
“写真を撮る前の操作って何があるのか”?など考えなくても、しっかり撮れてしまうから、わざわざ考える必要も
ない? と云う事かも、が.. 本当はカメラが何をやっているのか? を知っている方が上達するのですが..(^J^)
ご主人様が構図を決め シャッターボタンを押しこむまでに..デジタルカメラは縁の下で、撮影に必要なほとんど
全ての作業を自動的に行ってくれているのです・・!(^^)!
※余談ですが.. 聞き覚えの無いカメラメーカーについて少々、我が日本が一眼レフを引っ提げて、世界のカメラ
産業の頂点に上り詰める前は、最先進ヨーロッパ、それもドイツだった事に異論はありませんよね!
そんな中、沢山あったドイツメーカーは、新参..統合..解散..を繰り返し、次第に集約される中で老舗中の老舗
でカメラ&レンズメーカーとして、長い歴史を持つメーカーの「フォクトレンダー社」も、最近、ツァイス・グループ
の一員に参入、更にはコシナにブランドを使用させるなど、グローバル化してきている!
他方で、老舗のコンテッサ・ネッテル社は後に イカ社と利益共同体を成立し ツアイス・イコン社の母体になる
その、ツアイス・イコン社は、後にカール・ツァイス(Carl Zeiss )を傘下に持つ、カールツアイス財団を含む
「カールツアイスグループ」の一員となり、こちらも「カールツアイスグループ」に取りこまれた形になっている!
更に、数々の業績を残した、あのコダック社.. 今はカメラ事業から撤退して、別の道を歩んでいるようです。
聞き覚えのあるのは「カールツアイス社」.. 某日本メーカーにブランドを使わせているのでなじみがあるかな
:最近はコシナ社が、フォクトレンダーと提携して(Voigtlander)ブランドを使っていて、検索で引っかかったり
ややっこしい事?
忘れちゃいけないもう一方の老舗・・銘機「ライカ」を生み出した「エルンストライツ社」後に”ライカカメラAG”と
称号を変えて現在も健在!
憧れの銘機”ライカ”ですが、残念ながら、未だに森へお招き出来ていない.. その内にその内に!で終わる
かも知れないが、何時の日かお迎えしたいと.. 写真はレンズ! ゆえに、本来のカメラへの装着に拘らず、
市販のマウントアダプターで最新デジタル一眼へも装着OK!憧れの銘レンズで撮り撮りしたいと思います!
なお..ご興味があれば、他の住人達も ‟銘機礼賛:愛すべき写真機達" で紹介しているのでご覧ください!
1。二眼レフの仲間 2。コニカの仲間 3。キャノンの仲間 4。ペンタックスの仲間 5。(5)ライカのコピー機達
6。ニコン一眼レフ 7。オリンパス一眼レフ 8。蛇腹&沈胴機達 9。ベスト判 蛇腹機 10。中判一眼レフ2態
Posted by あんせるめ at 09:20│Comments(2)
│忘れ得ぬ逸品
この記事へのコメント
フイルムカメラ凄いですね!!
写真に、しばらく、釘付けでした。
趣味で、機材を集めたとは言え、プロですね。
感心しています。
写真に、しばらく、釘付けでした。
趣味で、機材を集めたとは言え、プロですね。
感心しています。
Posted by 城山の番人 at 2020年12月22日 18:47
:城山の番人さま
何時もご覧頂き、コメントありがとうございます。
ガラクタ一杯!.. じっくりとご覧頂いて同志を得たり..!嬉しい限りで(^^♪
小さな機体で写真を撮るという仕事をしっかりこなすところが凄いと思います
よく見ると実に精密な造り&メカに感心してついつい確保..してしまい(^^)..
の、始末が2~300台?どれも愛い奴たち!でも、後継者が現れずは困る(^^;
何時もご覧頂き、コメントありがとうございます。
ガラクタ一杯!.. じっくりとご覧頂いて同志を得たり..!嬉しい限りで(^^♪
小さな機体で写真を撮るという仕事をしっかりこなすところが凄いと思います
よく見ると実に精密な造り&メカに感心してついつい確保..してしまい(^^)..
の、始末が2~300台?どれも愛い奴たち!でも、後継者が現れずは困る(^^;
Posted by あんせるめ at 2020年12月23日 10:47